塔(2021年3月号)

いつかいつか楽になりたい湿気らせた花火の捨て方がわからない

雪の夜何かを急ぎ飛ぶ鳥の雪に紛れて落ちてゆく羽

開いたら光があふれてくるような扉ではない戸を開ける日々

この冬の最低気温また遠くないうちに忘れる朝のこと

そこに在る真冬の風に目を開ける鳥、何かがまだ燃えている

大きな赤い花びらを引きずって褒められるため帰らずにいる